KAWAGOE NEW SOUNDS

Brand New Electronic & Acoustic Music from Kawagoe Street , Japan..

MUSICS 2018

メンバー脱退後の3人編成による復帰作ながらも脱けたメンバーの存在感がしっかりと感じられる傑作アルバム
名作Ouiをも凌駕する泣ける作品です 

Heisei

Heisei

  • 折坂悠太
  • J-Pop
  • ¥1833

 彼はどうのようにしてこの歌唱法に辿り着いたのだろう
JPOPから語り部までとにかく様々なルーツが織り交ざった現代和製ブルースとでも形容してみようか
聞き覚えのある一節ももはや引用を超えて継承の域に思えるほど自らの音楽に転換している点に思わず震える作品です

90年代にはいつまでも先進的で未来的なものであり続けるだろうと思われていた電子音楽ももはや近代文明の終わりとともに文献化されようとしている
とはいえブルースがこの先百年も大衆音楽の根幹に据えられ続けるように電子音楽も様々なインターフェースを介して発音され続けるだろう

Dimensional People

Dimensional People

そのような状況下で近年は未来の音楽について考えることが多くなっている
どういう音楽が生まれるかというよりは音楽そのものがどう扱われていくのかが気になるところである
それは結果的に音楽とは何だろうと考えることと同義で音楽という概念がどう進化していくのかという未来予想図でもある

Kazuashita

Kazuashita

このような志向の中で琴線に触れる音楽はやはり同じような未来予想図をさも描いていたかのように思える作品やあらゆる音楽技法に対して公平性を感じさせる作品でありその過程で何らかの更新を果たしているサウンドは尚好ましく聞こえた

さて唐突に全体的な批評に切り替わった訳はある程度印象に残った作品を挙げたものの一つ一つに対してあまり思い入れが無いからである
ティムヘッカーの新作はRadio AmorとVirginsに匹敵する傑作だしマウスオンマーズの新作はニウンニグン以来の傑作だしギャングギャングダンスの新作においてはニューエイジに真っ向勝負を挑んだ意欲作であった

その他の作品も言わずもがな何らかの更新を遂げた作品であるしそれだけ完成度が高いと言ってしまえばそれまでだがそれ以上の発見や驚きは無いというのも否めないところである

Age Of

Age Of

  • ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー
  • エレクトロニック
  • ¥1500

 ダニエルロパティン においては ようやくR Plus Sevenを作り上げてしまった興奮から覚めて落ち着きを取り戻したのではないだろうか

Remember - Single

Remember - Single

  • KATIE
  • ポップ
  • ¥250

韓国のオーディション番組で優勝しデビューを果たしたソウルシンガーの1stEPで今最もアルバムが待ち望まれ今後の活躍が期待される逸材
とにかくこのデビュー曲が良すぎるので逆にハードルが上がり過ぎてないかといらぬ心配をしてしまうくらいだ
私が見たオーディションの動画ではKilling me softly with his songを選曲し他勢が声量や高音域をアピールする中で一人抑えた声量で中低域を強調した歌唱を披露し異彩を放っていた
ちなみにアメリカ生まれアメリカ育ちでアメリカの音大を卒業しているらしい

Lush

Lush

個人的には何年かに一組出会うセンス抜群のガールズバンドがまた現れたという印象であるが例えば2010年のDum Dum Girlsの1stや2016年のBleachedの2ndなどが言うところのそれである
さてこのSnail Mailはフロントマンの女性ボーカルによるバンド形態での名義らしいのだがまだ十代だという彼女の本当に自分で弾いているのかと耳を疑いたくなるほど味のあるギタープレイは必聴でおそらく彼女の中にはサーストンムーアとアーチャープレウィットが宿っている

Ignis

Ignis

  • Mika Vainio & Franck Vigroux & Matthew Bourne
  • エレクトロニック
  • ¥1050

最近亡くなられたあのパナソニック改めパンソニックのメンバーであるミカヴァイーニオさんのコラボユニットの未発表音源集
これは出る予定だったのか彼が死んだから出したのかわかりませんがこちらの方が評判がいいような気がするのは気のせいでしょうか

Breakfast

Breakfast

  • The Samps
  • エレクトロニック
  • ¥1500

 なんだか既に懐かしい感じがするこのユニットですがこれがファーストアルバム
八年前のEPがとてもユニークな作品だったので覚えていたのですが中心人物がどうやらプロデューサーが本業のようでこの作品も偶然の産物に近いのかもしれません
なんといってもNite Jewelの1stもプロデュースしてみるみたいですから彼があれの仕掛け人なんだとしたら私からしたら相当な人物です