KAWAGOE NEW SOUNDS

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ANOTA20世紀音楽中間決済 ~ アノタさんにANOTAについて詳しく聞いてみよう!2

ANOTA20世紀音楽補完計画 ~ アノタさんにANOTAについて詳しく聞いてみよう!(前編) - KAWAGOE NEW SOUNDS
ANOTA20世紀音楽補完計画 ~ アノタさんにANOTAについて詳しく聞いてみよう!後編 - KAWAGOE NEW SOUNDS

皆様ご機嫌うるわしゅう。
無名のレーベル川越ニューサウンド代表・庭野です。
さて、今年の5月から始動した私のソロ作品シリーズ"ANOTA MUSICAL PIECES"をお聴き及びの方々に向けて不定期で刊行される会報誌の如く連載方式でお伝えしていきたいこのアノタさん擬人化企画。前回は懸命に制作を続ける私に「将棋でも観ていろ」と言い放って去っていったアノタさんを再び無理やり降臨させ、私から途中経過を報告しつつ、これまでリリースされた楽曲について批評をしていただき、そしてこれからの展望も伺えたらこれ幸いなどと考えております。さてさて、アノタさんは私のもとへ降りてきてくれますでしょうか。。

庭野(以下・庭):アノタ先生~!!聞こえましたら、ここへ降りて来て…
アノタ(以下・ア):うるさい!
庭:あれ、いつからそこに?
ア:君が前口上をほざいている間に降りてきたよ。
庭:割とあっさり来てもらえるんですね?
ア:何を言うんだ?そんなの君のさじ加減じゃないか。
庭:それを言ってしまえば元も子もありませんが。。
ア:最初からそんなものは無いのさ。
庭:思い付きと勢いって怖いですね。
ア:全くだ。
庭:で、どおっすか?ここまで。
ア:え?あ、まあ、良い感じなんじゃね?
庭:それなら良いんですが。
ア:君は私に批評をしてもらいたいと考えているみたいだけど、ここまでやってみて自分ではどう思ってるんだい?
庭:そうですね、ちょっとここまでの経過を振り返りながら整理してみてもよろしいですか?
ア:それがいい。むしろそれが最良の批評と言えるかもしれないね。
庭:いや批評はアノタ先生がしてくださいよ。
ア:いいから早く振り返りたまえ。
庭:はい!まずこれまでにリリースしたEPは6枚。楽曲数は19曲。数えてみて驚きました。オマケの曲も合わせると全部聞くのに4時間半かかるみたいです。
ア:それにしても長尺の曲が多いね。20分を超えるものもある。#6に入っている"Can You Hear It"はコニープランクのスタジオでシューゲイザーバンドがセッションしたようなミニマルロックだね。
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しかし、こんなに長い時間君の作品に耳を傾ける人なんているのかい?
庭:いないでしょうねえ、、、まあこれには理由があるんですよ。まずこのシリーズはEPという単位で作っているので私のイメージとしては基本的に12インチのロングミックスで作るということ。それからコンセプトにもあるように現代音楽であるという意識、中でも私に一番影響を与えているミニマルミュージックの反復性にも大きく傾倒していると思います。
ア:うん。曲の好き嫌いはともかく、君のアノタに対するビジョンは明快だし多様性も感じるね。何よりもそのビジョンは広告やカバーデザインなどにも反映されているように思うよ。
庭:好き嫌いとクオリティを棚に上げて言えば作品シリーズとして筋の通ったものになっているのではないかと思います。まあ一言で言えばエレクトロ系なんでしょうけど、今までの自分の作品より肩肘を張らずに作っていると思います。去年までの作品は個性や革新性なんてものに拘って難解な作品を作っていましたが、今回は何も考えずにとりあえず四つ打ちから始めたりしてますからね。ちょっと聞いたことがあるようなフレーズを意図的に入れてみたり、その姿勢は確かにビジュアル面にも出ていると思います。
ア:特に#3のカバーなんかはギリギリアウトな気もするけどね。
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庭:ええ、あの有名なチェス盤ジャケットにそっくりですからね。でもマスの数を9×9に増やして将棋が指せるようにしたのは自分でもナイスアイデアだと思いました。
ア:私は#5のカバーにもハッとさせられてしまったけどね。あのシャネルの5番の発想がどこから来たんだい?
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庭:あれも偶然に次ぐ偶然でしかありません。あまり大きな声で言えませんが、私はファッション関連のドキュメンタリー映画が大好きなんですよ。特にブランドや業界人を特集したものがね。中でもアナ・ウィンターというアメリカ版VOGUEの編集長に密着したドキュメントはお気に入りでして、何度も見返しているくらいです。その煽りで「プラダを着た悪魔」も大好きな映画です。



ファッションが教えてくれること(予告編)


ちなみにフランス版VOGUEの編集長の映画も面白かったです。でもね、話している内容や業界自体には全く興味がありません、彼らが何を語っているのかなんて覚えていないんです。それでも何となく綺麗な服を着たモデルさんが出てきたり、そういう華やかな世界の表と裏を行き来する人間が何をか言わんとしている顔を見ているだけで私は人間について学んでいるような気になるんです。それでね、あれを作っていた頃に見たのはマルタンマルジェラのドキュメンタリーでした。


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案の定彼は顔出しNGだし掴みどころのない映画でしたけど彼を慕って集まった白衣に身を包んだ作業員たちの姿は印象的でした。それで映画を見ながら、じゃあこの曲はこのブランドの夏のコレクション用のBGMということにしてしまおうと良からぬ妄想に行き着くわけです。曲を作りながら同時にジャケットも考えていたんですけど、偶然にも次は#5(5番)じゃないですか!それですぐに運命的だと思ってしまってN°5と打ち込んでみるわけです。まあ曲はどうしたってファッションショーで流れそうなものには聞こえませんが、手が勝手に動いてシャネルの香水のパッケージを画像検索しているんです。それで、そうかナンバーが上なんだな、とか呟いているわけですよ。下地の黄色と黒の柄は全く何の関連性もないんですが、薄い幕を被せたらもう香水の広告にしか見えなくなっていました。
ア:まったく、思い付きと勢いの最たるもんだね。
庭:いよいよ最たるもんだらけですか?
ア:いや、だらけではないよ。
庭:じゃあ何ですか?
ア:何がだい?
庭:何でもないです。
ア:何なんだよまったく。
庭:何かすいません。
ア:何であやまるの?
庭:何となくです。
ア:何にも出ないぞこれ。
庭:なんでんかんでん
ア:ほら。
庭:照れ隠しですから。
ア:何を照れているんだよ?
庭:何にも照れてないですよ。
ア:軟式野球
庭:出ましたね。
ア:いや出てない出てない。
庭:ちょっと難航してますね。振り返りも全然順を追ってないから滅茶苦茶ですよ。
ア:ていうか、そもそもリリース順も滅茶苦茶じゃないか。
庭:そうなんですよ、あなたがバラバラに情報をくれるから全体像が見えそうで見えてこないんですよ。
ア:だからそれは、君の受け取り方の問題だって言ったじゃないか。
庭:#1、#2までは良かったんですよ。そしたら急に#6が出来ちゃって困りましたよ。まあそのおかげでこのシリーズは#13まであるっていうことに気付いたんですけどね。
ア:リリース順も整理してみたらどうかな?
庭:はい。まず5月1日に#1がリリースされました。それから約半月おきに#2、#6、#5、#3、#7という順で続きまして現在に至ります。つまり現段階では#4が保留状態になっていますね。


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ア:なるほどこれは滅茶苦茶だあ。だけどまとめてみればそんなに滅茶苦茶でもないね。#1~#5までは割とダンスフロアでミックスされて然るべきアシッドハウスやエレクトロがベースにあるね。#6以降はジャーマンエレクトロニクスやプログレッシブロックのような構築性も感じるし普遍的なメロディが融解しているようだね。もちろんテリーライリーやスティーライヒのようなミニマルミュージック的な雰囲気もある。


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庭:そうですね、自分が強く影響を受けたものがかなり直接的に音に表れているような気がします。
ア:さて、問題は次に何番をリリースするかってことだね。
庭:振り返りもそこそこに次のリリースの話ですか?またもや滅茶苦茶だ!
ア:まあまあ、決まっているのなら教えてくれてもいいじゃないか。
庭:決まっているもなにも、あなたは全てお見通しなんじゃないですか?
ア:ねえ、君さ、いつからか呼び方を「アノタ先生」から「あなた」に変えてるけどそれは意図的にかい?とっても紛らわしいよ。
庭:すいません、わざとです。
ア:だろうね。まあいい、話は佳境に入っている。
庭:ええ?まだ序盤か中盤じゃないですか?
ア:さあ、次の予定を告知しなさい!それで事は全て治まるんだ!
庭:いや治まりませんよ。アノタ先生もさっきから合いの手ばっかりで何の批評もしてくれてないじゃないですか?
ア:そうか、批評をして欲しいのか、いいね!どれもこれもなかなか、、いいね!
庭:先生、「いいね!」は口で言うもんじゃなくてボタンで押す時代なんですよ。
ア:そうか、じゃあちょっとそのボタンを持ってきてくれないか?
庭:あ、実際にあるわけじゃないです。ネット上のいろんなところに、、、ほらその下の方に。
ア:え、それは仮想のボタンということなのかい?
庭:まあ、そういうことになりますね。ほらスマホだって画面の中にあるのは仮想のボタンですよ。
ア:おお!何という時代なんだ!庭野くん!どこもかしこも仮想じゃないか!
庭:先生なんですか今更。先生だって仮想なんですから。
ア:え、私も仮想なのかい?
庭:立派な仮想ですよ。
ア:あ、そういえば最近、仮想通貨なんてものも流行ってるじゃないか?お金も仮想なのか!
庭:先生、お金は最初から仮想ですよ。
ア:じゃあ君の作っている作品も、、
庭:いやこれは違います。ん?違うのか、、、仮想かもしれないです。
ア:どっちでもいいよ!
庭:どっちでも、、いいね!あ、口で言っちゃった!
ア:で、この仮想シリーズはどうなっていくのかな?
庭:仮想シリーズになっちゃったよ。。
ア:仮想の世界で、これからやっていくわけなんだろ?
庭:まあそうですね。漫画の世界も仮想ですから、それで良いと思います。
ア:ところで第2セクションのジャケットは全部あの色合いでいくつもりなのかい?
庭:ジャケットの話ばっかりだなお前。。
ア:お前って誰に口聞いとんねん!
庭:すいません、あれじゃダメっすか?
ア:いやダメじゃないけど、、、弟子とかとってないからなあ。。
庭:僕の師匠ではないっすか?
ア:今はな。
庭:いや、あの色合い統一は正直自分でもよく分かんないですね、どうしよ、このままだと考えるの面倒だから統一してる感バリバリになっちゃいますね。
ア:そうなんだよ、それを私は心配していたんだよ。いや今回までは目を瞑るとしてもだね、次のが、、ちょっと見せてみなさい。
庭:えー!?次の出しちゃうんですか?
ア:いいから!真ん中の絵だけ出来てるだろ?早く!
庭:わかりましたよ。。


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ア:何だねこれは?
庭:何でしょう?
ア:#6は分かるよ、首チョ○パだろ?#7もね、多分窓か扉かっていうのは分かる。
niwano.bandcamp.com
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だがさっきのは全く分からないよ。何だこれは?#8の文字もほとんど被って見えないぞ。
庭:首チ○ンパって、、、まあ素材を撮影した私は分かりますけど、いろいろ組み合わさってるので説明するのは多分無理ですね。何かの置き物と捉えていただくのが妥当かと。。
ア:置き物なのかい?
庭:いえ、違います。
ア:ほら、、、だから心配なんだよ。
庭:まあでも、これ決定稿なんで。。
ア:え?私の意見はもう通らない感じ?
庭:あ、はい。
ア:アノタなのに?
庭:関係ないです。
ア:コロナも?
庭:そんなの関係ねえ。
ア:カオスは?
庭:それは関係ありますね。
ア:何なのカオスって?
庭:それは、、羽生さんに聞いてもらわないと。。
ア:いやお前もずっと言ってたじゃん、カオス化してるとかしてないとかさあ。
庭:何かかっこいいかなと思ったので。。
ア:いや嘘だろおい。なんかカオスってエモくね?的なこと?
庭:実際エモいっしょ?
ア:ジョンケージは?
庭:それはアノタ先生が、、、
ア:あ、そうか、これはアノタの問題か。
庭:ジョンケージって言ったら、なんかさっきの絵、キノコに見えてきましたね。
ア:ああ、キノコなの?
庭:違います。
ア:アノタ困っちゃうな。。
庭:アノタの番です。
ア:まあ、じゃあ次は#8をリリースするってことなんだね?
庭:いやこれはまだジャケットだけですから。
ア:え、違うの?
庭:次は#11の予定ですけど。
ア:え、最終セクションじゃん。。
庭:はい。
ア:#4を保留してるのとか忘れてないよね?
庭:忘れてないですよ。まあ#11も内容全然決まってないですけどね。
ア:ダメじゃん。あかん、ちょっとここで一回切ろう。続きはまた改めてゆっくり聞くから。
庭:というわけで、次回(掲載日は未定)はアノタ最終セクションの展望へと続きます。#11をリリースした後くらいにまたアノタ先生を降ろしてみようかと思います。
ア:お前はイタコか(まだ帰ってない)!?

突然打ち切られる雑談、、、
全く振り返り出来ていないアノタシリーズ、、、
千日手の末の持将棋、、、
諸々を保留してANOTA MUSICAL PIECEは今日もカオス世界を傍観する。。