KAWAGOE NEW SOUNDS

Brand New Electronic & Acoustic Music from Kawagoe Street , Japan..

ANOTA #8 / Takayuki Niwano [AMP-008]

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ANOTA #8
1 S.O.T.R.K.F.O.M.F.T. (SOMEWHERE OVER THE RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY FAVORITE THINGS)
(1) S.O.T. (1st Movement) - 6:20
(2) R.K. (2nd Movement) - 2:51
(3) F.O. (3rd Movement) - 6:10
(4) M.F.T. (4th Movement) - 3:16
2(5) Burn to Coma - 10:50
All Works by Takayuki Niwano
©︎ANOTA MUSICAL PIECES

niwano.bandcamp.com

"カオス化する21世紀、いつか王子様が虹の彼方に雨に濡れても、そうだ、京都行こう"
In the chaotic 21st century, even if someday the prince gets drenched in rain over the rainbow, yes, let's go to Kyoto!

ギターの即興演奏をマテリアル化した四楽章からなるハンドメイドブリコラージュ"S.O.T.R.K.F.O.M.F.T. (SOMEWHERE OVER THE RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY FAVORITE THINGS)"、それらを更にカットアップしたイージーリスニング風アシッドトラック"Burn to Coma"を収録。

S.O.T.R.K.F.O.M.F.T. (SOMEWHERE OVER THE RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY FAVORITE THINGS)", a handmade bricolage consisting of four movements of materialized guitar improvisations, and further cut-up versions of these songs Includes an easy-listening acid track "Burn to Coma".

AMP-008 ¥500 Bandcamp限定リリース。

"Burn to Coma" OFFICIAL AUDIO CLIP
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アノタシリーズ最終セクション突入記念!ANOTA FINAL COUNTDOWN TV ~ アノタさんにANOTAについて詳しく聞いてみよう3

ANOTA20世紀音楽中間決済 ~ アノタさんにANOTAについて詳しく聞いてみよう!2 - KAWAGOE NEW SOUNDS

皆様いかがお過ごしでしょうか?
無名のレーベル川越ニューサウンド代表・庭野です。
さて前回予告したとおり、この度ANOTAシリーズの11番目にあたるEPをリリースしたタイミングで再びアノタさんに降臨していただこうという主旨のもと、前口上を書き始めたところでありますが、果たして今回もすんなりと私の所へ降りてきてくれるのでしょうか。
それでは早速大きな声で呼んでみましょう。
※アノタシリーズのリリース状況についてはページ上部をご参照ください。

庭野(以下・庭):アノタ、、、
アノタ(以下・ア):いるよ。
庭:びっくりした!呼び捨てにしちゃったじゃないですか!なんでそんな巻きの感じで現れるんですか?
ア:いやもう、こういうくだりが面倒だからに決まってるだろう。どうせ君のさじ加減なんだからさ、スッと始めてくれよ。僕は君に敬称を強要したつもりもないんだからね。
庭:そんなに面倒くさがるなら、それこそ私のさじ加減で一向に本題に入らないまま長々とくっちゃべって、後編へ続かせてもいいんですよ?
ア:さすがに暇人ならではのマウントのとり方だね。この、「マウントをとる」って例えはいつから使われるようになったんだろうね?
庭:さあ、、、私は使ったこと無いんで。
ア:というわけで僕から本題に入ってしまおうかな。庭野君、ついにというか、案の定、こういう切り口に行き着いたね。君の新作はこのご時世に1秒も試聴出来ないわけだ?しかも1000円もするじゃないか?いつもの倍の値段じゃないか?売る気が無いと見せかけて微妙に手が出る値段にするあたりも君らしいじゃないか。

niwano.bandcamp.com


庭:もう新作の話ですか?そうですね、これはもう敵しか作りませんよね、いや敵どころかいつにも増してスルー率が高いですね。なにせどんな代物かもわからないのに買えって言ってるわけですから。しかもこれはゴミ同然の音楽データですと謳っているから理解不能ですよね。
ア:いや、理解を求めるくらいなら芸術なんてあって無いようなものだよ。むしろ、これは君が導き出したこの作品シリーズに対する一つの回答でもあるし、れっきとした芸術作品なんだから胸を張りたまえ。
庭:一応様子を伺いつつ値段を吊り上げていこうとは思ってます。
ア:せこい、せこいなあ庭野君、そのせこい皮算用を含めてこれは立派な芸術作品だよ。メインの曲がボーナストラック扱いになってるところなんか憎い演出だね。それにね、聴くことを目的としていないだけで、金を払えば聴くことは出来るんだからね、気に入らなければ、俺はわざわざゴミに金を払ってそれがゴミだと確認してやっただけさ、なんてかっこいい芸術批評も出来ちゃうんだからこれは良心的だよね。
庭:せこいですか?ちょっと気になったけどその時買わなかった中古のレコードがしばらくしてプレミア価格に吊り上がっていて後悔することがあるじゃないですか?その気持ちをアート作品で表現しようというね、、、嘘ですけどね。Bandcampは全編試聴できる配信コミュニティであることを強調しているので無料アカウントのままでは試聴不可に設定することが出来ないんです。だからボーナストラックにするしかありませんでした。ついでに1曲の容量制限もあるので長すぎると分割しなければならない。30分を超えるとまず無理ですね。今回は34分ほどあって、この曲がAB面に分かれているのはそのせいです。それにしても先生、すごい褒めるじゃないですか?どうしたんですか?
ア:褒めなきゃ始まらんだろうに。
庭:無理やり褒めてるんですか?
ア:そういうわけではないよ。ちょっと大げさに振舞っただけさ。いやだってね、君は良いよ、このシリーズが完成したところで箸にも棒にも掛からなければ作品と心中してしまおうと考えているんだから。でも僕はどうなるんだい?君のような寛容な人間がいないと僕の存在も希薄になってしまっていつか忘れられてしまうかもしれないんだよ。それはあまり都合が良くないんだよね。
庭:はい?どういうことですか?
ア:君の中では唯の思い付きで、これで駄目なら自分の人生に見切りを付ければ済む話なんだろうけど、このシリーズはね、君が勢いで掲げたとおり、20世紀の音楽を補完する計画の一端なんだよ。
庭:それは分かりますがね、あくまで一端でしかないです。私は気の向くままに作ってるだけですし何か重要な歯車の役目を担っているなんて微塵も思わないんですよ。私の方も世の中には愛想が尽きてますからね、好きにやって駄目なら終わりでいいじゃないか、はいそれまでよ的な思いで残された日々を過ごしているんです。絶望しながら生きていたって何の意味もない、人間が嫌いなのに人間をやっているなんて矛盾してるじゃないですか?
ア:そういう気持ちで君がこれを作っているのは知っているよ。でもね、それは大した覚悟じゃない。なぜなら、君は今こうして生きているし、音楽を作っている。絶望と君は言うが、希望がなければこんな生活も送れないし、第一に芸術になんて関わっていられないと思うよ。君が僕の存在に気づいたときに一体何が見えたんだい?これを形にすればきっと人生を切り開くことが出来ると確信したんじゃないか?
庭:いいえ、決してそんなことは無いです。確かに今は罰当たりなくらい自由で、アノタ先生の言いつけを守って好きな将棋を一日中観ていられるし、自分のことだけを考えていればよい生活を続けられていますが、もうそれをしてしまったからには社会的に健常な生活に戻るのにとても苦労することも経験上知っていますし、二度も同じ考えに達してしまっては、さすがに再び真っ当な社会に戻りたいと思うような原動力が巡ってくるだろうという楽天的な考えなど持っていません。
ア:あはは、二度目なのかい。でもそれはおかしいな。希望も無しにこんな正攻法でものを作っているなんて僕には矛盾しているようにしか見えないよ、君は今も生き生きしているし、社会的にも健常な生活を続けていると思うけどなあ。
庭:正攻法なんですか?これでも社会的に評価されるんですか?そんな、虫の良い話は聞いたことがない。
ア:そうかい?世の中、特に人間にとって社会というものほど虫の良い場所は無いんだよ。
庭:人間にとって?そもそも社会は人間が作ったものでしょう?
ア:違うよ。社会は誰が作るものでもない。君には君の社会があって、僕にも僕の社会がある。もちろんミミズにもオケラにもアメンボにもある。それが複合的なものになることは実際は無いんだよ。つまり君は君の社会でしか生きられない。だから君が自由を感じている今、君は社会的に健全だということなんだよ。
庭:なんだか言いくるめられてるようですが、私は社会とはただ無思考な人間が妄想し続ける柵にしか思えないんですよ。ですから必然的に自分は社会とは無縁の場所で生きるしかない。でもそんな場所はこの世にはありません。もちろんあの世というものがあってそこに行くしかないなんて不埒な考えもありません。ただ場所が無いから消えるしかない。そういう割り切った考えで余生を過ごしているだけなんですよ。
ア:君の考え方はともかく、これが余生だとしてもそれが功をなしているのか、非常に献身的で発展性に富んだものを作っているね。だから僕は君におおいに期待していたんだけどなあ。このペースでいくと今年中にアノタシリーズは完結してしまうだろうね。でも僕からしたらそこで終わられても困る。そう、やっぱりとても都合が悪いな。一端は一端でも君が想像するアノタ、または補完されるべき音楽の一端であって、それを君以外の人間が賄うというのはどうしても現実的では無いんだよ。
庭:他に適任はいくらでもいると思いますけど、、、このシリーズが終わっても次のシリーズが始まるかもしれません。
ア:そうなのかい?
庭:ええ。これを作り終えたところで私にはまだいくらか余裕があるでしょうから、それが尽きるまではまた何かを作ろうと考えるんじゃないかねえ。
ア:一瞬前向きに聞こえるけど破滅に向かっているとしか思えないね、君はX JAPANか?でもやる気はあるみたいだね。よし!ちょっと話が逸れてしまったけど君の渾身の一作についてもう少し掘り下げてみようじゃないか。コンセプトや君の思惑は何となく分かったけど、サウンド面はどういう感じなんだい?それに毎回カバーデザインも試行錯誤しているけど、今回もとても興味深いね。誰だいこの子は?

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庭:このジャケットはあるアプリで加工した私の顔です。前々からこういうジャケットも作ってみたかったのですが、頼めるような伝手もないので諦めていました。でも時代は一人でなんでも作れる方向に進んでいるんですね!ここまで弄ってしまうと元が誰でも一緒なんでしょうけど、それにしても自分の顔がだんだんと妖艶な姿に変化していく過程はそれはそれは身の毛もよだつ思いでしたよ。あ、サウンド面は適当です。
ア:なるほどそういうカラクリだったんだね。手法はともかく、これは作品のコンセプト性を高めるという意味でも面白いアプローチ、いやいや回りくどいな、わかりやすく言うと釣り画像だね。で、サウンド面だけど、ちゃんと説明したまえ!
庭:何も釣れないと思いますが。サウンドについては説明したところでどうせ聴かれないんですから、、、まあでも、もしかしたら他に何かもの作りをしている人の参考になることもあるかもしれないので、どうやって作ったかだけでも書いておきましょうか。
ア:まあこのブログもほとんど読まれてないけどね。
庭:先生は褒めて伸ばすタイプじゃないんですか?
ア:飴とムチさ。
庭:飴くらいで鞭打たれたんじゃ割りに合わないなあ。
ア:ほらもう一個あげるから早く話したまえ。
庭:まずメインとなるパートの音は前作(と言っても#7ですが)で試してみて面白かったサンプリングの手法を発展させてみたものなんですが、まずギターのいろんなところを叩いたり擦ったりどこかにぶつけてみたりした音を何分か録音します。それを丸ごとサンプラーにぶち込んでですねいろんな音階で頭をずらして弾くと不思議な現象が起こるんですよ。同じ音が違う音階で、しかも時間をずらして鳴るという仕組みなんですが、これが手軽に出来るわりに想定外の音になって面白いです。前作に収録の"Apple in Curved Air"の途中で聴けるインターバルようなパートではプリペアドピアノ(またはギター)で即興演奏しているような雰囲気が出まして、今回はなんだか打楽器でアンサンブルしているような民族音楽っぽいけど、なんかプラスチックを叩いているだけのようにも聴こえる不思議な雰囲気になったんですよ。
ア:とてもゴミ同然の作品には思えないね。
庭:いや、ゴミですよこんなもの。
ア:ゴミだけどリサイクル可能というわけだね。
庭:あとは部屋の窓辺にしばらくスマホを放置しておいて録れた音がベースで流れています。それとイントロとエンディングでアシッドサウンドのシーケンスを、メインパートの展開としてオブスキュアなベースシーケンスを入れました。今回もそこでは特定のトラックにGuitarRigによるダブ処理を施しています。これが今回のゴミ作品の内訳になります。
ア:リサイクルのところ無視しただろ。まあでも、たいしたゴミじゃないか。
庭:先生はこのゴミに金を払えますか?
ア:ちょっと今持ち合わせが、、、
庭:うわ、誤魔化し方下手くそ。
ア:タイトルは「これはインターネット上のゴミ屑です」か。君はこのDebriという言い回しを好んでいる節があるけどもしかして、何かの影響かい?
庭:プラネテスという漫画にスペースデブリという言葉が出てくるんですけど、おそらくこれの影響かと。
ア:なるほど響きにどこか美的感覚を刺激されるところがあるね。
庭:ゴミと言われているのに、まるでその一つ一つがパズルのピースであるかのような愛着を感じてしまったんです。
ア:破片という意味ではそういう見解も有り得るね。でもそこまで夢想してしまうなんて君は本当に世界に対して慈愛を持っている人間なんだね。
庭:それは自愛の間違いでは無いですか?でもこの世界に対して、この宇宙に対しての慈愛なら多少は持ち合わせているかもしれません。そこに人間は含まれていませんが。
ア:頑なだな。ともかく、この聴かれることのないゴミ屑は慈愛に満ちた偶然と未知が奏でるスペースオペラ組曲だということだね。
庭:誰も歌っていないのでオペラと言われると恐縮してしまいます。
ア:僕には君が謳歌している声が聴こえるけどね。
庭:恐縮です。
ア:それも何かの影響だろう。
庭:この対話形式だってよくある自己啓発本の影響じゃないですか。
ア:いや、これはTVブロスでたまに見る、電気グルーヴ天久聖一の架空対談の影響だろう。
庭:一番月刊化しちゃいけない雑誌、TVブロス
ア:ところで、これ以降の作品(#12と#13)もやっぱり試聴不可なのかい?
庭:そこは先生のご意見を参考にしたいところですね。
ア:僕が君に具体的に教えることは何も無いんだよ。
庭:今言えることは、この作品が最終セクションの方向性を決めるものではないということと、聴ける、聴けないという設定や作品の値段が変動する方針は作品に込めたコンセプトと直接関わるものではないということです。
ア:それは僕が口添えしてあげようと思っていたことだよ。やっぱり君に期待せざるを得ないな。
庭:ジャケットは全部顔ジャケになるかもしれません。
ア:なるほどそれも一興。
庭:なんだか飲み屋で上司が部下を慰めてるみたいですね。
ア:それは社会的なやり取りだね。
庭:上も下も無いですけどね。
ア:それなら、プラスもマイナスも無いよ。
庭:勝ちも負けも無いですね。
ア:絵も花も歌も無いよ
庭:「居酒屋」ですね。
ア:居酒屋ではない!ここは戦場だ!
庭:女将さん大変です!
ア:姉さん事件です!
庭:そうです、私が変なおじさんです!
ア:おいおい、勢い勇んで始めたものの、やることをやり切ってしまって後半グダグダで終わるYouTubeの生配信みたいになってるぞ!
庭:それは良く無い!早いところ締めましょう!先生帰って!
ア:あんなに巻き気味に来てやったのにこの仕打ちかよ!

ということでアノタ先生の大らかさに絆されて、ついつい本音トークに花が咲いてしまいましたが、私には私だけの社会があるということらしいのでそこで生きていこうと思います。私だけの世界?こう言うとアーティストっぽい?死なば諸共アノタ散るらむ?という感じで今後ともこのシリーズにご賛同いただける奇特な音楽好事家を求めてこの広大なネットの世界を徘徊していきたいと思います。興味ない方はさようなら!次のリリース予定は8番です。。

ANOTA #11 This is Internet Debris. / Takayuki Niwano [AMP-007]

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ANOTA #11 This is Internet Debris.

1 ANOTA Jingle Dub (Piano) - Introduction - 1:50
2 This is Internet Debris. (Side A) - 19:59 (Bonus Track)
3 This is Internet Debris. (Side B) - 14:43 (Bonus Track)

All Works by Takayuki Niwano

©︎ANOTA MUSICAL PIECES 

niwano.bandcamp.com

"カオス化する21世紀、価値観の消えた世界に私は麝香の香りを燻らせながらゴミ処理という名のマスタリングを施す"
In the chaotic 21st century, I smolder a musky scent, mastering a world where values have disappeared in the name of garbage disposal.

これはインターネット空間における破棄されるべき残骸としての聴取されることを目的としない音楽データです。
この作品を聴取することは可能ですが、そのためにあなたはゴミ同然のデータに対して経済的な損害を被らなくてはいけません。
This is music data that is not intended to be listened to as discarded debris in the Internet space.
It is possible to listen to this musical piece, but you will have to incur financial damage for the trashy data.

この作品はアノタ評価値が推移すると価格も変動します。
The price of this piece will fluctuate as the ANOTA rating value changes.

AMP-007 ¥時価 Bandcamp限定リリース


CM SPOT
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ANOTA20世紀音楽中間決済 ~ アノタさんにANOTAについて詳しく聞いてみよう!2

ANOTA20世紀音楽補完計画 ~ アノタさんにANOTAについて詳しく聞いてみよう!(前編) - KAWAGOE NEW SOUNDS
ANOTA20世紀音楽補完計画 ~ アノタさんにANOTAについて詳しく聞いてみよう!後編 - KAWAGOE NEW SOUNDS

皆様ご機嫌うるわしゅう。
無名のレーベル川越ニューサウンド代表・庭野です。
さて、今年の5月から始動した私のソロ作品シリーズ"ANOTA MUSICAL PIECES"をお聴き及びの方々に向けて不定期で刊行される会報誌の如く連載方式でお伝えしていきたいこのアノタさん擬人化企画。前回は懸命に制作を続ける私に「将棋でも観ていろ」と言い放って去っていったアノタさんを再び無理やり降臨させ、私から途中経過を報告しつつ、これまでリリースされた楽曲について批評をしていただき、そしてこれからの展望も伺えたらこれ幸いなどと考えております。さてさて、アノタさんは私のもとへ降りてきてくれますでしょうか。。

庭野(以下・庭):アノタ先生~!!聞こえましたら、ここへ降りて来て…
アノタ(以下・ア):うるさい!
庭:あれ、いつからそこに?
ア:君が前口上をほざいている間に降りてきたよ。
庭:割とあっさり来てもらえるんですね?
ア:何を言うんだ?そんなの君のさじ加減じゃないか。
庭:それを言ってしまえば元も子もありませんが。。
ア:最初からそんなものは無いのさ。
庭:思い付きと勢いって怖いですね。
ア:全くだ。
庭:で、どおっすか?ここまで。
ア:え?あ、まあ、良い感じなんじゃね?
庭:それなら良いんですが。
ア:君は私に批評をしてもらいたいと考えているみたいだけど、ここまでやってみて自分ではどう思ってるんだい?
庭:そうですね、ちょっとここまでの経過を振り返りながら整理してみてもよろしいですか?
ア:それがいい。むしろそれが最良の批評と言えるかもしれないね。
庭:いや批評はアノタ先生がしてくださいよ。
ア:いいから早く振り返りたまえ。
庭:はい!まずこれまでにリリースしたEPは6枚。楽曲数は19曲。数えてみて驚きました。オマケの曲も合わせると全部聞くのに4時間半かかるみたいです。
ア:それにしても長尺の曲が多いね。20分を超えるものもある。#6に入っている"Can You Hear It"はコニープランクのスタジオでシューゲイザーバンドがセッションしたようなミニマルロックだね。
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しかし、こんなに長い時間君の作品に耳を傾ける人なんているのかい?
庭:いないでしょうねえ、、、まあこれには理由があるんですよ。まずこのシリーズはEPという単位で作っているので私のイメージとしては基本的に12インチのロングミックスで作るということ。それからコンセプトにもあるように現代音楽であるという意識、中でも私に一番影響を与えているミニマルミュージックの反復性にも大きく傾倒していると思います。
ア:うん。曲の好き嫌いはともかく、君のアノタに対するビジョンは明快だし多様性も感じるね。何よりもそのビジョンは広告やカバーデザインなどにも反映されているように思うよ。
庭:好き嫌いとクオリティを棚に上げて言えば作品シリーズとして筋の通ったものになっているのではないかと思います。まあ一言で言えばエレクトロ系なんでしょうけど、今までの自分の作品より肩肘を張らずに作っていると思います。去年までの作品は個性や革新性なんてものに拘って難解な作品を作っていましたが、今回は何も考えずにとりあえず四つ打ちから始めたりしてますからね。ちょっと聞いたことがあるようなフレーズを意図的に入れてみたり、その姿勢は確かにビジュアル面にも出ていると思います。
ア:特に#3のカバーなんかはギリギリアウトな気もするけどね。
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庭:ええ、あの有名なチェス盤ジャケットにそっくりですからね。でもマスの数を9×9に増やして将棋が指せるようにしたのは自分でもナイスアイデアだと思いました。
ア:私は#5のカバーにもハッとさせられてしまったけどね。あのシャネルの5番の発想がどこから来たんだい?
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庭:あれも偶然に次ぐ偶然でしかありません。あまり大きな声で言えませんが、私はファッション関連のドキュメンタリー映画が大好きなんですよ。特にブランドや業界人を特集したものがね。中でもアナ・ウィンターというアメリカ版VOGUEの編集長に密着したドキュメントはお気に入りでして、何度も見返しているくらいです。その煽りで「プラダを着た悪魔」も大好きな映画です。



ファッションが教えてくれること(予告編)


ちなみにフランス版VOGUEの編集長の映画も面白かったです。でもね、話している内容や業界自体には全く興味がありません、彼らが何を語っているのかなんて覚えていないんです。それでも何となく綺麗な服を着たモデルさんが出てきたり、そういう華やかな世界の表と裏を行き来する人間が何をか言わんとしている顔を見ているだけで私は人間について学んでいるような気になるんです。それでね、あれを作っていた頃に見たのはマルタンマルジェラのドキュメンタリーでした。


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案の定彼は顔出しNGだし掴みどころのない映画でしたけど彼を慕って集まった白衣に身を包んだ作業員たちの姿は印象的でした。それで映画を見ながら、じゃあこの曲はこのブランドの夏のコレクション用のBGMということにしてしまおうと良からぬ妄想に行き着くわけです。曲を作りながら同時にジャケットも考えていたんですけど、偶然にも次は#5(5番)じゃないですか!それですぐに運命的だと思ってしまってN°5と打ち込んでみるわけです。まあ曲はどうしたってファッションショーで流れそうなものには聞こえませんが、手が勝手に動いてシャネルの香水のパッケージを画像検索しているんです。それで、そうかナンバーが上なんだな、とか呟いているわけですよ。下地の黄色と黒の柄は全く何の関連性もないんですが、薄い幕を被せたらもう香水の広告にしか見えなくなっていました。
ア:まったく、思い付きと勢いの最たるもんだね。
庭:いよいよ最たるもんだらけですか?
ア:いや、だらけではないよ。
庭:じゃあ何ですか?
ア:何がだい?
庭:何でもないです。
ア:何なんだよまったく。
庭:何かすいません。
ア:何であやまるの?
庭:何となくです。
ア:何にも出ないぞこれ。
庭:なんでんかんでん
ア:ほら。
庭:照れ隠しですから。
ア:何を照れているんだよ?
庭:何にも照れてないですよ。
ア:軟式野球
庭:出ましたね。
ア:いや出てない出てない。
庭:ちょっと難航してますね。振り返りも全然順を追ってないから滅茶苦茶ですよ。
ア:ていうか、そもそもリリース順も滅茶苦茶じゃないか。
庭:そうなんですよ、あなたがバラバラに情報をくれるから全体像が見えそうで見えてこないんですよ。
ア:だからそれは、君の受け取り方の問題だって言ったじゃないか。
庭:#1、#2までは良かったんですよ。そしたら急に#6が出来ちゃって困りましたよ。まあそのおかげでこのシリーズは#13まであるっていうことに気付いたんですけどね。
ア:リリース順も整理してみたらどうかな?
庭:はい。まず5月1日に#1がリリースされました。それから約半月おきに#2、#6、#5、#3、#7という順で続きまして現在に至ります。つまり現段階では#4が保留状態になっていますね。


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ア:なるほどこれは滅茶苦茶だあ。だけどまとめてみればそんなに滅茶苦茶でもないね。#1~#5までは割とダンスフロアでミックスされて然るべきアシッドハウスやエレクトロがベースにあるね。#6以降はジャーマンエレクトロニクスやプログレッシブロックのような構築性も感じるし普遍的なメロディが融解しているようだね。もちろんテリーライリーやスティーライヒのようなミニマルミュージック的な雰囲気もある。


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庭:そうですね、自分が強く影響を受けたものがかなり直接的に音に表れているような気がします。
ア:さて、問題は次に何番をリリースするかってことだね。
庭:振り返りもそこそこに次のリリースの話ですか?またもや滅茶苦茶だ!
ア:まあまあ、決まっているのなら教えてくれてもいいじゃないか。
庭:決まっているもなにも、あなたは全てお見通しなんじゃないですか?
ア:ねえ、君さ、いつからか呼び方を「アノタ先生」から「あなた」に変えてるけどそれは意図的にかい?とっても紛らわしいよ。
庭:すいません、わざとです。
ア:だろうね。まあいい、話は佳境に入っている。
庭:ええ?まだ序盤か中盤じゃないですか?
ア:さあ、次の予定を告知しなさい!それで事は全て治まるんだ!
庭:いや治まりませんよ。アノタ先生もさっきから合いの手ばっかりで何の批評もしてくれてないじゃないですか?
ア:そうか、批評をして欲しいのか、いいね!どれもこれもなかなか、、いいね!
庭:先生、「いいね!」は口で言うもんじゃなくてボタンで押す時代なんですよ。
ア:そうか、じゃあちょっとそのボタンを持ってきてくれないか?
庭:あ、実際にあるわけじゃないです。ネット上のいろんなところに、、、ほらその下の方に。
ア:え、それは仮想のボタンということなのかい?
庭:まあ、そういうことになりますね。ほらスマホだって画面の中にあるのは仮想のボタンですよ。
ア:おお!何という時代なんだ!庭野くん!どこもかしこも仮想じゃないか!
庭:先生なんですか今更。先生だって仮想なんですから。
ア:え、私も仮想なのかい?
庭:立派な仮想ですよ。
ア:あ、そういえば最近、仮想通貨なんてものも流行ってるじゃないか?お金も仮想なのか!
庭:先生、お金は最初から仮想ですよ。
ア:じゃあ君の作っている作品も、、
庭:いやこれは違います。ん?違うのか、、、仮想かもしれないです。
ア:どっちでもいいよ!
庭:どっちでも、、いいね!あ、口で言っちゃった!
ア:で、この仮想シリーズはどうなっていくのかな?
庭:仮想シリーズになっちゃったよ。。
ア:仮想の世界で、これからやっていくわけなんだろ?
庭:まあそうですね。漫画の世界も仮想ですから、それで良いと思います。
ア:ところで第2セクションのジャケットは全部あの色合いでいくつもりなのかい?
庭:ジャケットの話ばっかりだなお前。。
ア:お前って誰に口聞いとんねん!
庭:すいません、あれじゃダメっすか?
ア:いやダメじゃないけど、、、弟子とかとってないからなあ。。
庭:僕の師匠ではないっすか?
ア:今はな。
庭:いや、あの色合い統一は正直自分でもよく分かんないですね、どうしよ、このままだと考えるの面倒だから統一してる感バリバリになっちゃいますね。
ア:そうなんだよ、それを私は心配していたんだよ。いや今回までは目を瞑るとしてもだね、次のが、、ちょっと見せてみなさい。
庭:えー!?次の出しちゃうんですか?
ア:いいから!真ん中の絵だけ出来てるだろ?早く!
庭:わかりましたよ。。


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ア:何だねこれは?
庭:何でしょう?
ア:#6は分かるよ、首チョ○パだろ?#7もね、多分窓か扉かっていうのは分かる。
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だがさっきのは全く分からないよ。何だこれは?#8の文字もほとんど被って見えないぞ。
庭:首チ○ンパって、、、まあ素材を撮影した私は分かりますけど、いろいろ組み合わさってるので説明するのは多分無理ですね。何かの置き物と捉えていただくのが妥当かと。。
ア:置き物なのかい?
庭:いえ、違います。
ア:ほら、、、だから心配なんだよ。
庭:まあでも、これ決定稿なんで。。
ア:え?私の意見はもう通らない感じ?
庭:あ、はい。
ア:アノタなのに?
庭:関係ないです。
ア:コロナも?
庭:そんなの関係ねえ。
ア:カオスは?
庭:それは関係ありますね。
ア:何なのカオスって?
庭:それは、、羽生さんに聞いてもらわないと。。
ア:いやお前もずっと言ってたじゃん、カオス化してるとかしてないとかさあ。
庭:何かかっこいいかなと思ったので。。
ア:いや嘘だろおい。なんかカオスってエモくね?的なこと?
庭:実際エモいっしょ?
ア:ジョンケージは?
庭:それはアノタ先生が、、、
ア:あ、そうか、これはアノタの問題か。
庭:ジョンケージって言ったら、なんかさっきの絵、キノコに見えてきましたね。
ア:ああ、キノコなの?
庭:違います。
ア:アノタ困っちゃうな。。
庭:アノタの番です。
ア:まあ、じゃあ次は#8をリリースするってことなんだね?
庭:いやこれはまだジャケットだけですから。
ア:え、違うの?
庭:次は#11の予定ですけど。
ア:え、最終セクションじゃん。。
庭:はい。
ア:#4を保留してるのとか忘れてないよね?
庭:忘れてないですよ。まあ#11も内容全然決まってないですけどね。
ア:ダメじゃん。あかん、ちょっとここで一回切ろう。続きはまた改めてゆっくり聞くから。
庭:というわけで、次回(掲載日は未定)はアノタ最終セクションの展望へと続きます。#11をリリースした後くらいにまたアノタ先生を降ろしてみようかと思います。
ア:お前はイタコか(まだ帰ってない)!?

突然打ち切られる雑談、、、
全く振り返り出来ていないアノタシリーズ、、、
千日手の末の持将棋、、、
諸々を保留してANOTA MUSICAL PIECEは今日もカオス世界を傍観する。。